あなたにも“こんな”経験ありませんか?
顧客の声が大事。これはビジネスを行う経営者にとって当然のことですよね?しかし、ヒアリングやアンケートを行い、要望を取り入れて商品ラインナップを増やしたのに、売れないどころか全体の売上自体が減少・・・。こんな経験、あなたにもありませんか?
例えば、車を買おうとカーディーラーを訪問したところ、28種類の基本カラーと100種類の組み合わせを説明され、最初はピンクもいいし赤とか黄色もいいかな考えていたけれど、組み合わせの多さに迷いに迷って最後は無難なパールホワイトを買ってしまい、車を買って満足というよりは疲労感が残っただけとか・・・
はたまた子どもの遠足用にお弁当箱を買いにデパートへ行ったところ、キャラクターやサイズの種類の多さに圧倒されてしまい、結局買えなかったとか・・・
実はこれらの結果は起こるべくして起こっています。すなわちコレに気付かないといつの間にか、あなたの会社は倒産しているかもしれません。本書『購買選択の心理学』があなたに伝えるのは、これを防ぐ方法です。もし興味があるなら、次のクイズを解いてみてください・・・
6種類と24種類。購入率が高いのはどっち?
“ある高級住宅街にある店舗で、海外の高級ジャムを並べて買い物客が試食できるようにし、1ドルの割引クーポンを渡すことにした。そして、試食用のジャムが6種類の場合と24種類の場合を比較した。ただしいずれも24種類のジャムを購入できる。”
Q1:6種類のジャムを試したお客さんと24種類のジャムを試したお客さんがいます。購入率が高いのは6種類を試したほうか24種類を試したほうか、どちらでしょう?
6種類と30種類。満足度が高いのはどっち?
“学生にさまざまな高級チョコレートを評価してもらった。説明とデザインから好きなチョコレートを選び、試食して点数をつける。終わった学生は、別室で謝礼として現金か箱入りチョコレートを受け取る。最初に見せられるチョコレートが6種類のグループと30種類のグループに学生を分けた。”
Q2:6種類のチョコレートを見せられた大学生と30種類のチョコレー トを見せられた学生、どちらのほうが試食したチョコレートの満足度が高く、謝礼として現金ではなくチョコレートを選ぶ比率が4倍高いでしょうか?
あなたも感じている通り、答えは・・・
第一問と第二問、どちらも「少数」を試す、または見せられた方がジャム、そしてチョコレートそのものに対する満足度が高いことが、調査の結果わかりました。本書『購買選択の心理学』によると、調査を行った研究者たちはこの結果に対し、「数多くの選択肢に消費者がうんざりして満足度が低下するのは、判断するために多くの時間と労力を求められるようになるから」と説明しています。これは、私たち経営者にとっては無視できない問題ですよね?
選択肢の多さが満足度の低下を招いている
例えば、「選択肢が少ないよりも多いほうがうれしい」と、私たちは一般的に認識しています。事実、これは常識として認識されていることであり、ビジネスの場において私たちは数多くの選択肢を見込み客に提案し、競合他社はある商品のカラーバリエーションを次から次へと増やしたりサイズを増やしたりしています。
顧客の声を聞いて選択肢を増やしたのに・・・
実際、例えばスーパーマーケットに行ってみると100種類を超えるドリンク類が陳列され、スナックコーナーに行くとこれまた数百種類を超えるお菓子の数々がズラッと並べられています。鮮肉売り場には産地や部位別にパッケージされたお肉が並べられ、果ては好みの部位を好みの厚さで切り分けてくれる「カスタマイズ」サービスもあります。これはまさに、消費者である顧客の声を聞いた結果であり、選択肢の多さこそがより多くの売上と利益をもたらすと考えられた結果です。
顧客の声を聞くと、満足度を下げるという皮肉
しかし、この本に記された調査によると、このような選択肢の多さはむしろ満足度を下げる原因となっている、というのです。なんということでしょう、、、多くの売上と利益を生み出すために行ってきたことが、満足度を高めるどころか満足度の低下を招いているとは・・・。
私たち経営者にとって、顧客満足度を高めてお客さんをファンにすることの大切さは火を見るより明らかです。なぜならリピート客こそがより多くの利益をあなたにもたらすからです。それではいったい、私たちはどうやって顧客満足度を高め、売上と利益を伸ばすことができるのでしょうか?その解決策を私たちに投げかける人物こそ・・・
常識の逆を行く、顧客満足度を高める方法
バリー・シュワルツ、スワースモア大学で社会理論・社会行動学教授を務める人物です。彼は、選択肢を増やすという「選択の自由」こそが満足度を下げる原因となっていることを説明し、その対応策を示そうとしました。彼は次のようなアドバイスを私たちにしてくれます・・・
□購入率も満足度も同時に上げる方法:その秘密は返金保証にあります。なぜ返金保証を付けても店が潰れないのか?それは“保有効果”に理由があります。人は手に入れるよりも失うことに苦痛を感じます。手に入れてからわずか数分後でもです。すなわち、一度手にしたものはどんなものであれ失いたくないワケですから、返金保証を使って商品を手放す人はほとんどいないということです。(つまり、返品しないという選択を行うことで、逆に満足度は高まるということです。)
□選択の自由による負担を軽減する方法:キャス・サンスティーンとエドナ・ウルマン=マルガリートによって“二段階決定”と名付けられたこの方法は、規則や基準を使って制約を作り、必要な判断を減らします。例えば「コンビニでコカ・コーラを買おう」と決めていたら、ペプシや他のドリンクを前に悩むことはなくなります。(すなわち、あえてあらかじめ制約を設けることで、ストレスを軽減するということです。それにしても、制約を作ったほうがうれしいなんて!)
□トレードオフの葛藤を消して売りたい商品をもっと売る方法:明らかに劣る廉価版商品と売りたい商品を並べて陳列させてください。このアンカリングのテクニックを使えば、その売りたい商品だけを陳列させた場合より売れるようになります。しかも顧客満足度をアップさせつつです。(ただし、欲張って売りたい商品の選択肢を増やさないこと。結果、顧客が迷って何も買わずに出て行ってしまいます!)
この本は顧客の「買わない」を明らかにします
顧客が買わなくなる理由を特定し、それを排除する策を明らかにした本が、バリー・シュワルツが著した本書、『購買選択の心理学』です。この本を試すことであなたは、顧客の「買わない」という選択を事前に排除することができるようになるでしょう。すなわち、顧客の購入率と満足度を同時に高める技術が手に入るということです。
もちろん、これらはあなたが手にできる技術のごく一部です。本書にはこのような技術が他にも隠されています。「買わない」という選択肢を排除して満足度を高める技術。一緒に見ていきましょう・・・
PROLOGUE パラドックスの仕組み 過剰な選択肢は幸せにつながるか?
Part1 機会 選択の自由
Chapter1 人生を複雑にするもの ショッピングで直面する事態
Chapter2 新たな選択の時代人生は「選択」によって出来上がっている
Part2 選ぶ 満足の度合い
Chapter3 賢明なる判断 的確な選択のためにやるべきこと
Chapter4 最高の選択肢 許容するべきはどこまでか
Part3 パラドックス 選択への苦悩
Chapter5 選択は幸福につながるか 自由と自主性の恩恵
Chapter6 トレードオフと機会費用 心理的負担を生むメカニズム
Chapter7 後悔 もしも、あのとき……
Chapter8 順応 なぜ落胆するのか
Chapter9 比較 判断基準が過剰な社会での選択
Chapter10 自分を責める 過剰な選択肢がうつ病につながるとき
Part4 対策 正しく向き合う
Chapter11 幸福な選択 心理的負担をやわらげる11の方法
まずは、今日、試しにこの本を読んでみてください。 そして、この本に書いてあるたくさんのテクニックを試してみてみてください。そうすれば、今まで以上の売上アップが期待できることでしょう。もし、あなたが試しにこの本を読んでみて、気に入らないようでしたら、どんな理由があろうと、購入日より90日間以内に、返品していただければ、代金は全額お返しいたします。(通常5営業日以内)
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